数的優位でも「攻め急がず」「焦らず」、藤尾翔太や山本理仁、三戸舜介の「4得点」を生んだ大岩監督のチーム哲学【パリ五輪8強入り「U-23サッカー日本代表」強さの秘密】(2)の画像
パラグアイ戦、後半29分から出場の藤尾翔太が2得点。大岩監督のチーム哲学が大量得点を可能にしたのか。撮影/渡辺航滋(Sony α-1)

 現在、フランス・パリでオリンピックが開催されている。サッカー男子U-23日本代表は、グループステージ最終戦を残して、準々決勝進出、ベスト8入りを決めた。グループステージの戦いで見えた若きサムライブルーの強さを、サッカージャーナリスト後藤健生が解き明かす。

■数的優位を手にした日本に「あるある」

 さて、こうして数的優位を手にした日本だが、その後はやや攻めあぐねた。

 パラグアイは、当然のように守りを固めてきた。それまでトップいたフリオ・エンシーソとディエゴ・ゴメスを中盤に下げ、それまで左サイドハーフだったマルセロ・フェルナンデスを1トップに置く4-4-1の形にしたのだ。

 トップにいた、コンタクト・プレーに強い2人を中盤に下げて守備力を強化し、前線では俊足のフェルナンデスを走らせようとしたのだろう。

 こうして、相手が1人少なくなり、引いてしまったことで、日本がボールを支配する時間は長くなった。だが、ボールは持っているものの、なかなか相手ゴール前までボールを入れることができず、決定機の数は減ってしまった。サッカーにおける、“あるある”の一つである。

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