現在、フランス・パリでオリンピックが開催されている。サッカー男子U-23日本代表は、グループステージ最終戦を残して、準々決勝進出、ベスト8入りを決めた。グループステージの戦いで見えた若きサムライブルーの強さを、サッカージャーナリスト後藤健生が解き明かす。
■数的優位を手にした日本に「あるある」
さて、こうして数的優位を手にした日本だが、その後はやや攻めあぐねた。
パラグアイは、当然のように守りを固めてきた。それまでトップいたフリオ・エンシーソとディエゴ・ゴメスを中盤に下げ、それまで左サイドハーフだったマルセロ・フェルナンデスを1トップに置く4-4-1の形にしたのだ。
トップにいた、コンタクト・プレーに強い2人を中盤に下げて守備力を強化し、前線では俊足のフェルナンデスを走らせようとしたのだろう。
こうして、相手が1人少なくなり、引いてしまったことで、日本がボールを支配する時間は長くなった。だが、ボールは持っているものの、なかなか相手ゴール前までボールを入れることができず、決定機の数は減ってしまった。サッカーにおける、“あるある”の一つである。