【2戦でグループ突破。マリとの再戦で大岩ジャパンが示した成長(2)】日本がマリ戦の決勝点を生み出せた要因とは……細谷の開き直った突破、三戸・佐藤・山本の長い距離のランニングetc.の画像
パリ五輪第2戦・マリ戦での決勝点に繋がった、U-23サッカー日本代表の 写真:日本雑誌協会代表撮影/中地拓也

 7月27日(日本時間28日未明)のマリ戦(ボルドー)で値千金の決勝弾を挙げたのは、大岩ジャパン発足時から藤田譲瑠チマシントトロイデン)らとともに主軸を担ってきた山本理仁(シントトロイデン)だった。

 後半37分のこのシーンを振り返ってみると、中盤でボールを奪ったのが山本だった。それを右に展開。外に開いたエースFW細谷真大(柏)ドリブルで仕掛けてDFをかわし、鋭いグラウンダーのクロスを中に入れた。

 その瞬間、後半途中からインサイドハーフ(IH)に入っていた三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)と同じく左サイドに入っていた佐藤恵允(ブレーメン)が長い距離を走って前線へ侵入。三戸には合わず、ファーから飛び込んだ佐藤がシュートを放った。

 これは惜しくもGKラシン・ディアラ(1番)にセーブされたものの、ハーフウェーライン手前から疾走してゴール前に詰めていた山本が左足を一閃。気迫でボールをネットに押し込んだのである。

 一連の流れを振り返っても分かる通り、誰もが手を抜かず、献身性とハードワークをした結果がこの決勝点なのだ。それを後半37分という時間帯にやってしまうのが、大岩ジャパンの粘り強さとタフさなのだろう。猛暑のフランスで走り切れる体力・走力を含め、日本人の優位性がいかんなく発揮された歴史的ゴールシーンだったと言っていい。

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