7月27日(日本時間28日未明)のマリ戦(ボルドー)で値千金の決勝弾を挙げたのは、大岩ジャパン発足時から藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)らとともに主軸を担ってきた山本理仁(シントトロイデン)だった。
後半37分のこのシーンを振り返ってみると、中盤でボールを奪ったのが山本だった。それを右に展開。外に開いたエースFW細谷真大(柏)ドリブルで仕掛けてDFをかわし、鋭いグラウンダーのクロスを中に入れた。
その瞬間、後半途中からインサイドハーフ(IH)に入っていた三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)と同じく左サイドに入っていた佐藤恵允(ブレーメン)が長い距離を走って前線へ侵入。三戸には合わず、ファーから飛び込んだ佐藤がシュートを放った。
これは惜しくもGKラシン・ディアラ(1番)にセーブされたものの、ハーフウェーライン手前から疾走してゴール前に詰めていた山本が左足を一閃。気迫でボールをネットに押し込んだのである。
一連の流れを振り返っても分かる通り、誰もが手を抜かず、献身性とハードワークをした結果がこの決勝点なのだ。それを後半37分という時間帯にやってしまうのが、大岩ジャパンの粘り強さとタフさなのだろう。猛暑のフランスで走り切れる体力・走力を含め、日本人の優位性がいかんなく発揮された歴史的ゴールシーンだったと言っていい。