■「あそこまでボコボコにやられたら楽しい」
その流れから前半のうちに1点を失うと、後半突入後は12分間で立て続けに3点を奪われた。相手は三笘やダニー・ヴェルベックやジェイムズ・ミルナーらビッグネームが45分で下がり、ピッチに立っていたのは10代の若手中心。彼らは出番をつかむため、凄まじいモチベーションでぶつかってきていた。その気迫に押され、鹿島の守備が崩壊。終わってみれば1-5の大敗を喫してしまったのだ。
三笘とマッチアップした須貝がまずまず奮闘し、同サイドの師岡柊生も守備面で献身的にカバーに入るなど、好材料も多少なりとは見られたが、最高峰リーグクラブとの厳然たる実力差は認めざるを得なかった。
「世界のトップリーグでやってるチームは考えながらサッカーをやっている。まずビルドアップでウチのFWが1人食いつくのを待って、食いついた瞬間に中から3人目のフリーマンがスペースを使って前進してきていた。それに対してどう守備をするかっていうのは、中で話しながらやってたけど、彼らは立ち位置が抜群で、距離感もいいので、ミスも起こらない。これが今の世界のスタンダードなんだなっていうのは、やりながら感じました」と今夏、ベルギーから戻ってきたばかりの三竿も質の違いを痛感していた。
「あそこまでボコボコにやられたら楽しいっすよ」と鈴木優磨は冗談交じりに苦笑した。だが、鹿島としては、このまま足踏み状態を続けているわけにはいかない。