「個人の差はすぐに埋めることは…」

小久保 大岩監督がずっと言っていますけど、メダルを取りたい。もちろん、誰もが優勝を目指していますけど、その前に3位入賞です!

――パリ五輪で、できれば対戦したくないチームはありますか?

小久保 チームのみんなとよく話すのが、スペインとはやりたくないなと。過去に親善試合をしたときは、自分たちは何もできなかった。だからこそ、パリ五輪のアジア予選を1位で突破できたのは大きかったと思います。2位突破だと、グループステージCでスペインと対戦しますから。
 アジアでチャンピオンになることが目標でしたが、スペインとの対戦を避けて、グループステージの負担を少しでも軽くできたのは、よかったと思いますね。

――パリ五輪で入賞、そして優勝するために足りないものはありますか?

小久保 予選と本選では相手チームの強さが違うので、個人の能力では歯が立たないというか、フランスやスペインなどの強豪に勝つためには、チームとしての力を上げないといけない。
 個人の差はすぐに埋めることはできないけど、今のチームの結束力の高さを見ると、日本人らしく、11人のチームプレーで戦ったら勝てると思っています。
 だから、チーム力の向上ですね。11人で勝ち切る、あのメンバー全員で勝ち切る、そうすれば、メダルを狙えると思っています。

――今後、チームをどう引っ張って、どう鼓舞していきますか?

小久保 先頭に立つというよりは、後ろから支えたい。U-23日本代表キャプテンの藤田譲瑠チマくんが、そうなんです。
 1人の選手としても、友達としても関係が作りやすくて、リーダーシップがあるんだけど、意見が言いやすいというか。彼のように後ろから支える存在のキャプテンが、今のチームに非常に合っていて、それが11人で勝つことにつながっている。自分も、そうありたいと思っています。

――では、パリ五輪出場権を獲得し、アジア王者にも輝いた「AFC U23アジアカップ」を振り返らせてください。

小久保玲央ブライアン(こくぼ・れお・ぶらいあん) 2001年1月23日生まれ、千葉県出身。193センチ、91キロ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は柏エフォートFCでプレー。柏レイソルU-15、U18で才能を伸ばし、18年、柏レイソルトップチームへ。同年1月開催の「アルカス国際カップ」で大会最優秀GKに選出されたことで世界的に注目され、翌19年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに加入することに。20年8月には、UEFAユースリーグ決勝でレアル・マドリードと対戦。2-3で敗れるも、大会準優勝に貢献した。同年10月、2部SLベンフィカBで初ベンチ入り。22年1月、Bでデビューを果たし、5月にトップチームで初ベンチ入り。日本代表としては、U-15代表候補に選ばれたのを皮切りに、各年代で選出。今年4月のAFC U23アジアカップでは、数々のビッグセーブでパリ五輪出場権、アジア制覇に貢献。7月11日、ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの完全移籍を発表した。

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