「特にやることはないですね(笑)」

小久保 自分はライバルとか、まったく気にしていません。プライベートではみんなで仲良くごはんにも行っているし(笑)。
 鈴木彩艶くんも野澤大志ブランドンくんも超えなければいけない存在だとは思っていますが、他人との競争というよりは、自分をより高めて、良いパフォーマンスを見せ続けられるかの勝負だと思っています。あとは、大岩剛監督が試合で誰を使うかだけですね。

――小久保選手は、最年長世代の一人ということもあって、チームのムードメーカーだそうですね。自腹でゲームのアプリや音楽をダウンロードして、招集されたばかりの選手を自分の部屋に呼んで大勢でゲームをするなど、打ち解けやすい雰囲気を作られたとか。
 そのときにやっていた恒例のゲームは、「人狼ゲーム」だったという話も聞きますが、最近、チームを盛り上げるために、何かやっていることはありますか?
 
小久保 最初は自分の部屋にみんなを呼んで、UNO(ウノ)とか、ゲームをして盛り上げていましたが、最近は、チーム全体が仲良しなので、特にやることはないですね(笑)。
 エレベーターに乗った少しの時間でさえ、チームの課題などを話し合う雰囲気ができているんです。チームとして完成されてきたので、もう自分が世話を焼く必要はありません(笑)。

――では、そんなU-23日本代表のメンバーについて聞かせてください。もし相手チームにいて、攻めてきたらイヤだな、やっかいだなと思う選手はいますか? 逆に、一緒に守っていて頼りになるメンバーは?

小久保 選手はみんな、クオリティが高いですね。シュートがうまい選手もたくさんいますが、中でも細谷真大くんは、シュートを撃つときのタイミングの外し方が抜群にうまいなと思います。
 ヨーロッパの選手と比べても、細谷くんのほうがうまいので、敵側からしたら脅威だと思います。守備は、今のメンバーなら誰と組んでも安心できます。

――では、大岩剛監督は、小久保選手にとって、どんな監督ですか?

小久保玲央ブライアン(こくぼ・れお・ぶらいあん) 2001年1月23日生まれ、千葉県出身。193センチ、91キロ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は柏エフォートFCでプレー。柏レイソルU-15、U18で才能を伸ばし、18年、柏レイソルトップチームへ。同年1月開催の「アルカス国際カップ」で大会最優秀GKに選出されたことで世界的に注目され、翌19年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに加入することに。20年8月には、UEFAユースリーグ決勝でレアル・マドリードと対戦。2-3で敗れるも、大会準優勝に貢献した。同年10月、2部SLベンフィカBで初ベンチ入り。22年1月、Bでデビューを果たし、5月にトップチームで初ベンチ入り。日本代表としては、U-15代表候補に選ばれたのを皮切りに、各年代で選出。今年4月のAFC U23アジアカップでは、数々のビッグセーブでパリ五輪出場権、アジア制覇に貢献。7月11日、ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの完全移籍を発表した。

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