「自然と解消されていくのかなと」
藤田 いろいろ楽しかったのですが、フランスのパリは最初に行ったヨーロッパ圏内の国だったんで、記憶に残っています。シャンゼリゼ通りも栄えていて、ベルギーとはちょっと雰囲気が違っていて、すごく楽しかったです。
――ベルギー国内では、ブリュッセルやアントワープにも行かれたとか?
藤田 はい、行きました。アントワープは、景色がすごいきれいだったので、印象に残っています。ベルギーで最初に行った観光地だったので、思い出深いですね。
――では、読むと元気になるマンガや映画、音楽はありますか?
藤田 元気になるという目的で、マンガや映画、音楽を聴かないので、元気をもらというのは、よくわかりませんが、でも音楽を聞くのも好きですし、マンガもけっこう読んでます。
――具体的な作品を教えてもらえますか?
藤田 自分はヒップホップを聞くのが好きなので、日本のヒップホップをよく聞きます。最近はラッパーのKEIJUって人にハマっています。
――マンガはどうでしょう?
藤田 基本、『ONE PIECE(ワンピース)』ですね。サッカーを題材にしたマンガは、『ブルーロック』を読んでます。以前は『アオアシ』も読んでいました。
――では最近、読んでいる本、影響を受けた本はありますか?
藤田 最近は英語の勉強も兼ねて、シャーロック・ホームズを読んでいます。
――名探偵のホームズですか。探偵小説、推理小説ですね。ちょっと意外な感じもします。先ほど、元気をもらうために音楽を聴いたり、マンガを読んだりしない、と話されていましたが、藤田選手は落ち込むことはあるんでしょうか? もし、落ち込んだ場合、どうやって復活するのでしょうか?
藤田 サッカーで落ち込むことは、よくありますけど、自分はサッカーで落ち込んだことはサッカーでしか解決できないと思っているので、自分でいいプレーすることだったり、目に見える成長ができたときに、そういう落ち込みは、自然と解消されていくのかなと思います。
――では、サッカー選手として、大事にしている言葉はありますか?
藤田 ヴェルディの先輩だった大久保嘉人さんと中村憲剛さんと3人で話していたときに、憲剛さんから言われたのですが、ボランチ、守備的MFがボールを持ったときの判断は、第一優先は前、次に斜め前、最悪なのがバックパスだと。
その考え方は、今も大事にしています。
――では、最後にもう一度、日本代表の話を聞かせてください。
藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で才能を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、当時J1の徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスを経て、2023年7月にベルギー1部リーグのシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは、2022年7月の香港戦。4月にカタール・ドーハで開催されたU23アジアカップで、キャプテンとして日本代表を優勝に導き、自身も大会MVPに輝いた。パリ五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では、長短2種類のパスで2アシストし、2-0の勝利に貢献。その広い視野、デュエルの能力、正確な技術、試合の流れを読む洞察力は、A代表の遠藤航(リヴァプール)以上との評価も。大岩剛監督の下、7月25日(パラグアイ戦)からのパリ五輪に挑む。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。