パリオリンピック初戦のパラグアイ戦で5-0快勝。56年ぶりのメダル獲得へ、これ以上ない好発進を遂げたサッカー日本代表。『サッカー批評』では、広い視野や多彩なパス、ボール奪取などの能力でゲームをコントロールする、U―23代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にインタビューを敢行。
第4回は、サッカーIQを高めたユース時代の訓練、ピッチを俯瞰する広い視野は、どのような環境で形作られたのか。サッカー少年少女へのアドバイスとともに、語ってもらった!
「うまい選手のマネをしながら…」
――中学生のときに、東京ヴェルディのジュニアユースに入り、プレーに戦術的な要素を求められ、相手の選手がどの方向に動こうとしているか、その選手の向かう方向、「矢印」を見極める訓練をしていたとか。
藤田 訓練というか、意識はしていました。周りの選手、特にヴェルディジュニア上がりの選手はそうした訓練を、小学生のときからやってきた選手ばかりだったので、そうしたうまい選手のマネをしながら、同時にコーチから要求されたことをこなしつつ、プレーをしていました。
――その後、17歳でトップチームに昇格。2020年にプロデビューします。そして、敵や味方のポジションを俯瞰的に把握する目とタフな走力で、チームで頭角を現していきます。
ただ、ユースでは高校2年次までBチーム。ユース時代から指導していた永井秀樹監督は、「3年生になってもっとも伸びた選手。チームのやり方を理解し、プレーで表現できるようになった」と話されています。一気に花開いた理由は、なんでしょうか?
1~2年生のときに、なかなかAチームに上がれずに、屋上で試合を撮影するビデオ係などもやられたとか。試合を上から見ることができるので、その係を選ばれたと話されていましたが、その際の経験は生きていますか? 屋上から試合を見ることで、試合を俯瞰で見ることができるようになり、サッカーIQがさらに上がっていった、ということもあるのでしょうか?