J2ブラウブリッツ秋田の首位チーム撃破の裏話が明かされた。思いが込められたキャプテンマークが、ファンの感動を呼んでいる。
秋田は前節、首位の清水エスパルスをホームに迎えた。オリジナル10の一角であり、昨季も最後の最後までJ1昇格を争った難敵である。
相手もそうだが、秋田にとっては自分たちとも向き合わなければいけない時期だった。4月28日の第12節以降、約2か月間で勝利はわずかに1試合のみ。直近でも5月26日の第17節以降は3試合連続で引き分けて勝点1ずつ積み上げていたが、第20節ではついに黒星を喫した。ひとつの試練と言える、第21節の清水線だったのだ。
秋田の気迫が、清水を上回ったのかもしれない。開始13分に先制点を奪うと、前半のうちに1点を追加。後半には1点ずつを奪い合い、3-1で秋田が勝利した。
この試合には、選手や監督も相当に気合いが入っていたことだろう。また、その思いは他のクラブスタッフも変わらない。
「嫌な時期が続き、結果に直結しなくとも何か変化をと、清水戦前キャプテンマークに魂を入れてもらいました」
そういって秘話を明かしたのは、チームの松田太智主務。自身のSNSに、自らの思いとキャプテンマークの写真を投稿した。
青と白、2パターンのキャプテンマークに思いが刻まれている。いや、縫い込まれている。「魂ぎわ」などと、チームを率いる吉田謙監督が選手に叩き込むキーワードが刺しゅうされているのだ。
松田主務は「ただの願掛けです。笑」とつづっているが、「キャプテンの左腕を見れば、自分たちが立ち返る場所がある」という効果は、決して小さくなかったはずだ。