2024年のJ1リーグが、折り返し地点にたどり着こうとしている。20チームで臨んだ前半戦は、良い意味でも悪い意味でもサプライズがあった。また、後半戦の展望につながる新たな材料も見つかった。前半戦をいかに消化し、後半戦に昇華させていくのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■鹿島「2位」要因は知念慶コンバート
――鹿島アントラーズは、監督交代が吉と出たとみていいですか。
後藤「ランコ・ポポヴィッチ監督でどうなるかなと、みなが思っていたけれど、意外と当たったなという感じ。あの人は自分の色を押しつけるんじゃなくて、既存の選手の能力をうまく引き出すよね。さらに、新しい選手の特長もうまく引き出して、全員で一生懸命やる。それがうまくいった」
大住「新人の右サイドバック、濃野公人のような大発見もあったし」
後藤「まさにサプライズだったね」
大住「知念慶をボランチにコンバートしたことも、今のチームの成績に結びつく、すごく大きな要因だった」
後藤「仲間隼人も柏レイソル時代は、それなりに良い選手だなと思っていたら、今では左サイドで存分に能力を発揮している。名古新太郎もすっかり復活したし、全員が自分の得意なプレーをすることで、チームもうまく回っている感じ。そこにアレクサンダル・チャヴリッチというサイドでも使えるCFタイプを連れてきて、非常に短期間で良いチームをつくったよね。植田直通と関川郁万のCBコンビは、そりゃあ強いしね」