大分トリニータ戦「なぜ水戸ホーリーホックは3連勝を逃したのか」(2)FKからの「前田椋介の直接クロス」と「藤原優大の縦パス」からのPK獲得、若い「水戸スタメン」の画像
若手選手の覚醒が水戸ホーリーホック浮上のカギを握る。撮影/重田航

 明治安田J2リーグ第16節、水戸ホーリーホック(以後、水戸)対大分トリニータ(以後、大分)の試合が、ケーズデンキスタジアム水戸で行われた。
 試合は、前半に大分が攻めて、後半は水戸がゲームの主導権を握る。水戸のフォーメーションは「4-4-2」で、中盤はボックス型を採用し、大分も「4-4-2」で、同じシステムのミラーゲームとなった。水戸は、森直樹新監督の指揮のもと、3連勝を狙ったが、大分の守備陣の踏ん張りもあって、1-1の引き分けに終わった。
 では、前編で扱った大分の先制ゴールに続いて、得点シーンを中心に、試合を分析していこう。

26分の水戸フリーキック「大崎航詩のボールが壁に」


 26分に水戸は、フリーキックのチャンスを得る。左SBの大崎航詩が蹴ったボールが、大分の壁に当たって弾かれる。そのボールを大崎が拾いに行って、右ペナルティ前にいる前田椋介へパスを送る。前田はダイレクトでファーサイドにクロスを入れる。飯泉涼矢のヘディングしたボールは、左ゴールポストの脇を抜けた。
 惜しいシーンだった。ここでは、前田がダイレクトでファーサイドにクロスを入れた点が、惜しいシュートにつながっている。大分のディフェンダーが水戸の選手につききれていないときに、前田はクロスを入れている。それにより、飯泉がフリーでヘディングできたのだ。もし、前田が横パスをしていたら、大分のディフェンダーは準備を整えていた。そうした時間を相手に与えないクロスだった。
 後半になって、森監督は安藤瑞季と久保征一郎のFW二枚を一気に交代してきた。彼らに代わって入ったのは、落合陸と寺沼星文である。
 同点の場面を作られた53分の大分の守備を見てみよう。

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