■「もう少しうまい守り方はあった」
そこからの試合運びも素晴らしかった。3分後には名古新太郎が2点目を叩き出し、リードを広げる。鈴木優磨自身も引いてボールを受けて逆サイドに展開したり、前線で起点になったりと幅広い役割を披露。ジーコが言う通りの大黒柱らしい働きを示していた。
2点リードの後半も鹿島は開始早々に右CKから植田直通が3点目を挙げ、勝負を決めたかと思われた。ゆえに、ランコ・ポポヴィッチ監督もイエローカード3枚をもらっている濃野公人らを下げる采配を見せたのだろう。
ところが、鹿島は選手交代によってバランスが崩れ、相手が左の切り札、チアゴ・アウベスを投入してきたことで、一気に攻め込まれ始める。そして後半24分に齋藤功佑の一撃を浴びると、さらに混乱に陥る。
「バランスを取っていましたけど、サイドにドリブルが武器の選手が入った時に、そのカバーをするのか行きすぎて真ん中を空けてしまう時もあるので。サイドバックのカバーはしないといけないけど、もう少しうまい守り方はあったと思います」と佐野海舟も反省していたが、最終的にズレを修正できないまま1点差に詰め寄られ、後半ロスタイムに3点目を献上。終わってみれば、3-3のドローという信じがたい結果に終わったのである。