古巣サポーターの薄れることのない“愛”が話題になっている。
4月20日にレモンガススタジアム平塚で行われたJ1リーグ第9節の湘南ベルマーレ対ヴィッセル神戸で、長期離脱中の神戸MF齊藤未月がゴール裏の湘南サポーターに挨拶を行った。
齊藤が主催する「未月とトモニ」企画の試合招待プログラムがこの試合から始動した。同企画は、2023年8月の試合で全治1年の大怪我を負った齊藤を応援するため、齊藤が過去に在籍した湘南、ガンバ大阪、神戸の3クラブが合同で応援タオルを販売し、その収益を「love.fútbol Japan」に寄付し、経済的な貧困や社会格差を理由にサッカーをしたくても諦めている子どもたちを支援する活動に活用していくというもの。その第1回目として、神奈川県の5世帯の家族をこの日のゲームに招待し、写真撮影などのために齋藤がゴール裏に足を運んだのだ。
そこで交流が生まれた。「急がず焦らず。未月待ってるぞ‼︎」の横断幕を背に写真撮影をしていた齊藤に向けて、ゴール裏の湘南サポーターから「遠い!遠い!遠いよ!」との声が飛ぶ。それと同時に笑い声が起きると、齊藤も照れ笑いを浮かべて振り返り、頭を掻きながらサポーター席のすぐ側まで歩み寄る。そして拍手と笑顔に包まれながら、改めて写真撮影を行ったのだ。
一瞬で齊藤と湘南サポーターとの心理的距離感もなくなると、次々と「頑張れ!」の声が沸き起こると、その声は次第に大きくなり、最後は盛大な「未月チャント」へと発展した。