■「ここまで3試合全員で戦ってきました」
こうした大会では短いスパンで強度の高い試合が連続するため、どこかでターンオーバーをしなければ勝ち上がることが難しいというのは定石となっている。そのため、グループステージで早めに突破を決めて、選手の大幅な入れ替えをすることが大前提になっている。
大岩監督もその流れに沿ったと言えるが、この年代の難しさもピッチ上で表れた。攻守において必ずしも連動できなかったからだ。開始3分で平河悠が左サイドをえぐって決定機を作り出したものの、前半45分間において攻撃面で連動できた場面は少なった。
第2戦を休んだ高井幸大が最終ラインで奮闘したことで無失点で過ごすことには成功したが、攻撃面での課題は残った。召集のたびにチーム事情によってメンバー構成が変わる事情もあって、イメージの共有は必ずしもできているわけではない。7人の入れ替えは、それを露呈させたものとなった。特に、内野航太郎が前線でボールを呼び込もうとしながらもうまく行かない姿は何度も見られた。
大岩剛監督は試合後、「ここまで3試合全員で戦ってきました」と話すように、GK山田大樹以外の22人は全員が先発メンバーとして今大会の試合に挑んでいる。個々人としてのコンディションを保つためのメリットはあった。しかし、アジアでライバルとなる国を相手に勝利をつかみ取るほどの力は出せなかった。