■FW中山のゴールで同点とするが…
仙台は前半の勢いをそのまま後半に持ち込み、立ち上がりの51分に同点に追いつく。中島元彦の右CKは相手DFにクリアされるが、セカンドボールを相良が収める。背番号14がゴール正面から右足を振ると、ゴール前のFW中山仁斗がボールを収め、DFを背負いながら反転してゴールへ蹴り込んだ。中山は2試合ぶりの得点でシーズン3ゴール目だ。
同点に追いついたあとも、仙台は敵陣でのプレー時間を増やしていく。ダブルボランチのMF長澤和輝とMF工藤蒼生が、ボールを配球しながら前線に関わり、中島ら2列目の選手がピッチの横幅を広く使うことで、攻撃の回数を増やしていくのだ。
森山監督は65分に2枚替えをする。中島と中山を下げ、MF鎌田大夢とFWエロンを送り出す。この交代でチームにさらなる勢いをもたらしたいが、逆に藤枝に押し込まれる。森山監督は77分に工藤からMF松井蓮之にスイッチする。ボールを動かしながら自身もゴール前へ飛び出せる松井の登場で、ゲームをコントロールする狙いだ。
しかし、選手交代で局面を打開したいのは藤枝も同じだ。時間の経過とともに少しずつオープンな展開になり、仙台のゴール前まで迫られる場面も出てくる。森山監督は85分にMF名願斗哉とMFオナイウ情滋を投入する。2列目の両サイドを代えて2点目を狙うが、決定的なシーンを作り出すには至らない。1対1のまま終了のホイッスルを聞いたのだった。
仙台はここまで9試合を終えて8得点だ。複数得点は2試合にとどまる。就任1年目の森山監督のもとで守備を整備したシーズン序盤を経て、そろそろ攻撃の迫力を高めていく必要がある。
ここからはJ1昇格候補との直接対決が続く。次節はモンテディオ山形との「みちのくダービー」で、20日の10節は清水エスパルスとのアウェイゲームだ。さらにはジェフユナイテッド千葉とのホームゲームが待つ。仙台にとっては今シーズン最初の正念場だ。