■2回のファウルは「偶然の出来事ではない」
さて、もう一度アビスパ福岡戦を振り返ってみよう。
試合後、ペア・マティアス・ヘグモ監督は「前半から相手にはほとんどチャンスを作らせなかった」と豪語したが、そんなことはない。浦和もチャンスを作っていたが、福岡も狙い通りにボールを奪う場面が多く、何度か攻撃のチャンスを手にしていた。得点1、シュート3本に終わったのは(前半の浦和のシュートは5本)、福岡の攻撃陣のフィニッシュ段階での精度の問題だった。
前半開始早々に、福岡の左のシャドーストライカーの岩崎悠人が浦和のセンターバック、佐藤瑶大を倒してファウルを取られた場面があった。そして、12分にも今度は右のシャドーの紺野和也がマリウス・ホイブラーテンに当たりに行って、同じようにファウルを取られた。
この2回のファウルは、けっして偶然の出来事ではない。
福岡の2人のシャドーは、明らかに浦和のセンターバックがボールを持ってパスをさばく瞬間を狙っていたのだ。