■清水は攻撃のトライアングル不在でビハインドを背負う
「超攻撃的」が、緊急事態に陥った。
J2リーグ第7節が3月30日に開催され、2位の清水エスパルスは13位のモンテディオ山形と対戦した。秋葉忠宏監督が指揮する清水はここまで5勝1敗で、昨年8月以来の4連勝を目ざす。
この日の清水は、3人の主力を欠いた。トップ下の乾貴士、左MFのカルリーニョス・ジュニオ、1トップの北川航也がメンバー外だった。攻撃のトライアングルを欠く中で、秋葉監督はトップ下にMF松崎快、左MFに白崎凌兵を指名し、1トップには高卒ルーキーのFW郡司璃来を抜てきした。市立船橋高校から加入の郡司は、プロ初先発初出場である。
前半は山形に押し込まれた。山形は4-2-1-3のシステムでトップ下を定位置とする國分伸太郎が左サイドへ流れ、それに伴って左ウイングから中央へ入ってくる背番号10・MF氣田亮真を、どうやってつかまえるのかがはっきりしないのだ。
清水は、30分過ぎからは2列目の立ち位置を変え、右から松崎、白崎、ルーカス・ブラガとする。郡司を含めた4人で前線から相手のビルドアップをけん制していくのだが、ボールを奪う位置は自陣になりがちで、カウンターを仕掛けることもままならない。
34分には左サイドで國分をつかまえられず、中央へパスをつながれて氣田にコントロールショットを決められてしまう。密集からゴール右を射抜いた氣田のシュートは素晴らしかったが、ボールを握られて揺さぶられた末の失点である。清水からすれば、完全に守備を崩された場面だった。