■守備改善の仙台は前線に起点を作れず…
負けない戦いから、いつ、ステップアップするのか──。
J2リーグ第5節が3月20日に一斉開催され、4位のベガルタ仙台は16位のロアッソ熊本とホームで対戦した。前U-17日本代表監督の森山佳郎監督が率いる仙台は、ここまで2勝2分と負けなしだ。一方の熊本は1勝1分2敗で、前節はいわきFCに0対6で大敗した。
仙台はここまで2失点で、2試合連続でクリーンシートを記録している。過去数シーズンの課題だった守備に、はっきりとした改善が見られる。
一方で、攻撃は「これから」だ。
この日は2試合ぶりにブラジル人FWエロンを頂点に置き、2列目右サイドにMFオナイウ情滋を起用する。オナイウも2試合ぶりの先発だ。
前半は自陣での攻防が多かった。大木武監督のもとで主体的にボールを動かしてくる熊本に対して、仙台は高い位置からプレスをかけてボールを奪おうとする。しかし、連動したプレスからボールを奪う場面は限られ、自陣でのトランジションが多くなる。
仙台もボールをつないでいく狙いがあり、エロンと縦関係に立つFW中島元彦が自陣へ戻ってビルドアップをサポートする。それによって自陣でのボールロストは避けられるのだが、最前線のエロンが孤立気味になってしまい、パスの出し手は彼を使うことをためらいがちになる。中島との入れ替わりでボランチや両サイドが背後へ飛び出すことで、エロンの孤立を解消することもできたはずだが、そうした動きも限られた。仙台は攻撃の糸口を見いだせないまま、前半を終えることとなった。