■後半2発でしぶとく逆転!!
追いかける展開となった清水は、後半開始直後に決定機をつかむ。右SB原輝綺が攻め上がり、ペナルティエリア内からの強シュートが相手GKを襲う。この一撃で得た右CKでは、新加入のCB蓮川壮大がヘディングで合わせ、さらにはカルリーニョス・ジュニオがプッシュするが、枠をとらえることはできない。
ゴールをこじ開けたのは60分だ。
自陣右サイドでボールを奪った松崎が、センターサークル付近の乾へパスを通す。熊本の選手はボールの奪い合いに密集しており、乾は瞬間的にフリーで、なおかつ前を向いてボールを持つことができた。彼がいい状態でパスを受けることで、カウンターのスイッチが入ったのだ。
熊本の赤いユニフォームがすぐに乾に迫るものの、背番号33はその前に北川へパスを通していた。今シーズン主将の腕章を巻く背番号23は、左サイドを駆け上がってきた左SB山原怜音を使う。切り返しでシュートコースを作った山原は、右足のコントロールショットゴール右上へ流し込んだ。乾を起点に連動した清水が、同点に追いついた。
2点目がほしい展開で、秋葉監督は交代カードを切る。74分、新加入のブラジル人FWルーカス・ブラガを2列目右サイドに配する。83分にはカルリーニョス・ジュニオを下げ、2種登録の17歳・西原源樹が2列目左サイドに入った。
ふたりの交代選手が積極的にボールに触っていく中で、88分に再びゴールをこじ開ける。ボランチ宮本のスルーパスと右SB原の動き出しがシンクロし、右サイド深くを突く。原のクロスがDFのオウンゴールを誘い、清水は勝ち越しに成功したのだった。
アディショナルタイムには3枚替えを行ない、2対1で勝点3をゲットした。秋葉監督は試合後のフラッシュインタビューで、昨シーズンのJ1昇格プレーオフを持ち出した。
「アディショナルタイムに失点するチームではなく、そこで突き放すチーム、選手になろうという話をして今シーズンに臨んでいる。こういう苦しいゲームを何とかモノにしていくシーズンにしたい」
「超攻撃的」な姿勢をスコアに反映できなくても、勝利は逃さない。清水の変化が垣間見えた一戦だった。