後藤健生の「蹴球放浪記」第198回「美しいレバノンで開催された奇跡の大会」の巻(2)中東でワインを楽しめる貴重な場所の画像
2000年アジアカップでの日本対ウズベキスタン戦の入場券。日本が8対1で圧勝 提供/後藤健生
 現在、カタールでアジアカップが行われており、サッカー日本代表もベスト8へと進出した。蹴球放浪家・後藤健生はアジアカップを何度も取材してきたが、2000年にレバノンで行われた大会は、貴重な体験だったと振り返る。束の間の平和の中で開催された、「奇跡の大会」だったのだ。

■地中海のパリ

 さて、そんなレバノンは歴史の古い国ですから、観光するところもたくさんあり、とても良い思い出が残っています。

 まず、ブルーの地中海に面した首都ベイルートは「地中海のパリ」とも呼ばれる美しい街でした。「パリ」というのは、独立前はフランスが支配していたからです。風光明媚な土地に、近代的なヨーロッパ風の建物が並んでいます。

 そして、レバノンの魅力といえば、なんと言ってもレバノン料理でしょう。

 中東のどこに行っても、おいしいレストランといえば、レバノン料理かペルシャ料理ということになります。

 まず、びっくりするのはテーブルに着くと、大量の生野菜が出てくることです。とても食べきれるような量ではありません。それをボリボリ齧りながら「今夜は何を食べようかなぁ……」とメニューに目を通すのが楽しみです。ケバブ系の肉や肉団子。もちろん、海に面しているのですから、魚介類も豊富です。

 ちなみに、イスラム教徒が多い国ですが、キリスト教徒も多いのでレバノンではワインも自由に飲むことができます(レバント地域はワイン発祥の地とも言われています)。そういば、ブドウの葉を使った料理もおいしいですね。

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