■「そこはもう戦う土台じゃないですか」
その中村が、決勝トーナメントゆえの「一発勝負」だからこそ持つイメージがある。まずは、相手のラフなプレーへのもの。イランはこれまでにもやや荒いプレーも交えながら相手の攻守に対応してきたが、「一発勝負の世界で怪我とかを考えないで、球際も行くところは行ってハードワークするっていう大前提において、そこはもう戦う土台じゃないですか」と話す。相手の勢いに飲まれず、しっかりと受ける姿勢だ。
そしてもう一つは、相手の警戒に対してだ。バーレーン戦では「カットインを間違いなく警戒されていて、それゆえになかなか良さを出せなかった」と振り返るが、「そういった中で、自分が次にどういう選択肢を持てるかが大事」とイメージを膨らませる。
そのうえで、「左で深くまでは行けなかったですけど、タメは少しは作れたので必ずしもマイナスばかりではない。ボールを触る回数もありましたし、もうちょっと崩せたらなお良かったですけど、一発勝負なので出たら気にせず頑張りたい」と切り替えて挑む重要性を明かす。
アジアカップでの優勝のために、アジア２位のイランとの試合が持つ意味は大きい。勝利にこだわる姿勢を見せた中村が、左サイドで輝く。
