■トライしてきた“ポリバレントな選手起用”

 しかし、森保監督が強調するように、その時に招集できるメンバーが日本代表のベストであり、そのために昨年3月のシリーズから8試合、さらに元日のタイ戦で多くの選手を起用してきた。選手層はカタールW杯までの”第一次・森保ジャパン”よりも強みになってきている。

 その選手層にも関わる話だが、森保監督は26人を大会登録できたカタールW杯から、アジアカップや北中米W杯の予選で23人に戻ることを想定して、ポリバレントな選手起用にもトライしてきた。分かりやすい例が、右サイドバックの菅原由勢(AZ)と毎熊晟矢セレッソ大阪)を試合の途中で右サイドハーフに上げたり、右サイドのスペシャリストである伊東純也(スタッド・ランス)を左に回すと言ったプランだ。

 実際に、昨年11月にスタートしたW杯二次予選は23人だったが、試合ごとにエントリーを決められるので、少し多めに招集しておいて、コンディションを見極めてメンバーリストを提出することが可能だった。

 しかし、もしアジアカップが23人だと、攻撃と守備のバランスを含めて、かなりシビアな選考を強いられたはずだが、もともとポリバレントを意識して強化してきたところに、今回の変更は渡りに船であり、森保監督としても積極的な”+3”を選べたはずだ。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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