【森保ジャパンを間近で見る山本昌邦ND、独占インタビュー(2)】ドイツ戦勝利の裏にあった分析スタッフの充実……“欧州での経験”を加えて図ったレベルアップの画像
取材に応じた日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクター 撮影:中地拓也
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 カタールワールドカップを終えて2023年に改めてスタートした森保ジャパンは、ここまで順調な熟成を見せている。そんなチームにあって、2月に反町康治技術委員長がそれまで兼務していた日本代表に関する部分を引き受け、最も近い位置で寄り添っているのが山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)だ。

 24年1月からいよいよ始まるアジアカップ。舞台は再びカタールとなる。アジア王者を狙う第2次森保ジャパンはここまでどのような1年間を過ごしてきたのか、山本NDに話を聞いた。全3回のうち、今回が2回目となる。
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 このインタビューの前編で、勝利することができなかった3月シリーズから一転、6月シリーズでの躍進に繋がったスタッフ陣の“裏側”を聞いた。ここからチームが固まり、完成度を上げる作業が続いているように見えるが、それは目的どおりに進んだのだろうか。

「私は試合の内容を評価する立場ではありません。ただ、しっかり4月、5月で選手の状況が把握できて、スムーズに行くようなコミュニケーションもしっかり取れて、いい準備をしたから、こういう結果になったと思います。3月の試合も踏まえて、いい緊張感を持って充実した準備をしていたと思いますし、その準備の成果が出たと思います」

 こう話す山本NDが言葉を強めるのが、攻撃面においての手応えだ。

「成果が見られたのは、特に攻撃面ですね。攻撃といっても、もちろん守備から連動しています。“点が取れたから攻撃が良くなった”と思われることも多いのですが、実際は守備からのトランジションがすごくスムーズだから得点と勝利につながりました。

 あとは、ペナルティエリアへの侵入回数です。侵入したプレーの質は、データも交えてしっかりフィードバックしていました。3月がどうだったから、どこを変えようとテーマを絞って改善して、それが秋までずっと続いています」

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