12月3日に行われたJ1リーグ最終節で、北海道コンサドーレ札幌は浦和レッズと対戦。所属するMF小野伸二は現役ラストマッチに挑んだ。試合は0-2で敗れたが、途中の交代シーンが感動を呼んでいる。
1998年、小野は浦和レッズでキャリアをスタート。その後オランダやドイツでもプレーをし、最後に選んだのは北の大地だった。
小野はキャプテンマークを巻いてスタメンで出場。対戦相手は縁がある浦和だが、年間順位3位がかかっているため、当然容赦はない。小野がボールを持っても時間を与えずに奪いに来る。それでも稀代のテクニシャンはワンタッチのらしさあふれるパスでチャンスを演出。スタジアムを沸かせた。
しかし前半17分頃、札幌ベンチは交代の準備に入る。だが、小野はその後も裏に抜ける鋭いパスでチャンスメイク。浦和DFもたまらずファールで選手を止めて、FKを獲得した。
まだピッチに立つと言わんばかりに粘りのようなプレーを見せたが、前半の22分にプレーが途切れ、交代が告げられる。すると、札幌の選手たちは小野の元へ集まった。
引退選手の最後の試合、よく見られる光景と思った矢先。浦和の選手たちも小野の近くに駆け寄った。そして“花道”を作り、ピッチを去る姿を見送ったのだ。試合の時計は止まっていないが、両軍のベンチも総立ちとなり拍手を送っている。ピッチが1つになった数分だった。