■神戸とは対照的だった終盤戦
浦和にとって激動と言っても良い今シーズンで、5月には宿敵アル・ヒラルを倒してACL優勝を果たしたが、それ以降は主力選手の離脱なども重なり、スコルジャ監督が目指したチームの進化がうまく運ばないまま、ここまで54試合を戦ってきた。
特にJ1優勝への望みをかけた11月12日の神戸戦は浦和がルヴァン杯の決勝、ACLのアウェー浦項戦から続く中3日での三連戦で、相手の神戸は11月28日の湘南戦から2週間ぶりという対照的な両チームによる試合だった。
神戸は神戸で、公式戦の感覚が開きすぎる難しさはあったはずだが、1試合1試合、体力を消耗するスタイルと酒井高徳も認める神戸にとって、この日程で大一番の浦和戦を迎えられたことは、シーズンの明暗を分けるキーポイントだったとも言える。しかも、試合は後半アディショナルタイムにホセ・カンテが起死回生の同点ゴールを決めた5分後に、FKにGK西川周作の攻撃参加した裏返しのビッグカウンターから大迫勇也に決められる、衝撃的な敗戦を喫した。
これが誤審であったことは映像から明らかだが、オフサイドを見誤ったものなのか、オフサイドラインそのものを間違えたのか、その真実はおそらく担当だった副審の頭の中にしかないため”迷宮入り”している。その神戸戦を前に2−1で敗れたACLのアウェー浦項戦でも、スコルジャ監督がレッドカードで退席となり、すでにイエローをもらっていたことも合わさってか、残るグループステージの二試合で現場の指揮を取れないという事態も重なり、浦和にとっては踏んだり蹴ったりとしか言いようのない状況となっている。
(取材・文/河治良幸)
(後編へ続く)