■セネガル戦への反映

 しかし、反省は活かされたようで、セネガル戦では前からプレッシャーをかけるべき場面と、リトリートして守るべき場面の見極めがしっかりとできており、前線と後方の意思もしっかりと合わせることができていた。

 もちろん、セネガルはすでにグループリーグ突破を決めていたのでアマラ・ディウフをいつもとは逆の右サイドに置いてみたり、それまでのワントップからツートップに変えてみたりと、テストの意味合いが強い試合だった(20分過ぎには、アマラ・ディウフは右サイドに戻されたが)。

 さらに、セネガルはGKのセリーヌ・ディウフが脚を痛めて30分に交代を余儀なくされ、アマラ・ディウフも左サイドでドリブルを仕掛けたところで日本の3選手に囲まれて負傷し、37分に退いてしまった。

 そうした事情を勘案しても、しっかり守って相手の足が止まり始めた後半に攻撃を仕掛けて効率的に2点を奪った日本の試合運びは見事だった。

 そして、この「成功体験」を踏まえて、日本はスペイン戦でも守備では規律の良さを発揮していた。これから、経験を積んでアルゼンチン戦のような場面でうまく対応できるようになればよいのではないか。

(4)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3