サッカーは世界共通だが、少しずつ違うものが世の中にはある。蹴球放浪家・後藤健生は、海外でのサッカー取材でそうしたものに多く出くわす。それは、互いの文化を学ぶことにもつながるのだ。
■怖いエレベーター
この夏、女子ワールドカップを観戦に行った時にオークランドで泊まったホテルのエレベーターにこんなことが書いてありました。
「このエレベーターは45年前に設置したもので故障の恐れがあるので、お静かにお乗りください」
おや、怖い!
たしかに、よく見ると古そうですが、一応、自動運転で近代的なスチール製(?)の箱になっていました。
ところで、エレベーターのことを調べてみると、その人が乗る箱状の装置は「カゴ(籠)」と呼ばれているそうです。
籠というのは、竹や木や金属などで編んだ網目状の容器のことですよね。今でも、キッチン周りではよく使われます。エレベーターの箱のことを、どうして「カゴ」と呼ぶのでしょうか?
それは、まさに昔の(45年より、さらにずっと古い)エレベーターは文字通り「籠」だったからです。