J1のアビスパ福岡が、ルヴァンカップを制して初タイトルを獲得した。試合後には生けるレジェンドが優勝杯を掲げ、その姿やスピーチがサッカーファンの涙を誘っている。
福岡が新たな歴史を築いた。11月4日に国立競技場で行われたルヴァンカップ決勝で、浦和レッズを撃破。クラブ初となるタイトル獲得を成し遂げた。
試合では開始5分で紺野和也のクロスから前寛之が決めて福岡が先制。前半終了間際にも紺野のクロスから宮大樹が追加点と、福岡が理想的な展開でリードした。後半に入り1点を返されたものの、浦和の反撃をしのぎ切って、1点差のままタイムアップのホイッスルを聞いた。
この試合のMVPには、先制点を決めた前が選出された。一方で、忘れられてはいけない選手がある。クラブの生けるレジェンドと言える城後寿である。
福岡県出身で、2005年に国見高校から福岡に加入。以降、福岡一筋のまさにレジェンドだ。
今季は背番号10を背負って16シーズン目。ルヴァンカップでの出場はなかったが、リーグ戦では前節もベンチに入るなど、ここまで9試合に出場していた。
今回の決勝でもメンバーには入らなかったが、城後は欠かせない存在だった。当然、会場には駆け付け、試合後には仲間たちと喜びを分かち合った。
JリーグがSNSで公開した動画でも、城後の姿がばっちりとらえられている。控えめに仲間たちを見つめながらも、背中を押されてチームメイトたちに加わる。
自然と前列、さらには中央へと導かれ、手には優勝杯が渡された。照れながらも優勝杯を掲げると、仲間たちとともに最高の笑顔がはじけた。
スタンドに向けてもメガホン片手に歓喜の絶叫。「感無量です」「これでアビスパともさよならです」と語りかけ、ファンを盛り上げていた。