■世にも醜悪な試合
2次予選最終日の11月1日、オーストラリアと日本はともに3連勝でグループ1位を確保した。フィリピンは予想どおりイランを1-0で下して勝ち点を6に伸ばし、得失点差は-4。B組では韓国と中国が引き分けて2位韓国は勝ち点5にとどまった。そしてC組では、ウズベキスタンがインドを3-0で破って勝ち点を6に伸ばし、得失点差は+2となった。ウズベキスタンが「2位首位」を確保し、来年2月の3次予選に進んだ。そして3次予選の組み合わせは、「北朝鮮×日本」、「オーストラリア×ウズベキスタン」となったのである。
安易に池田監督の決断を非難することはできない。しかしその結果生まれた試合が、世にも醜悪なものだった事実は、隠すことができない。「フェアプレー」の最も重要な根幹は「勝つために全力を尽くすこと」である。イエローカードの少なさも、ロッカールームの清掃も、「勝つために全力を尽くす」ことと比較したら軽微なことだ。しかし2023年10月29日にタシケントで行われたAFCの2024パリ・オリンピックアジア2次予選C組「ウズベキスタン×日本」の前半15分以降の75分間は、「フェアプレー」の対極にあるものだった。
たしかになでしこジャパンは「2-0勝つため」には全力を尽くした。だが2点を取った後には、「アンチ・フットボール」とも言うべき行為を繰り返したのだ。