寝不足の目を見開かせたジェフ千葉の激しいサッカー【千葉県で繰り広げられた魅力的な2つのゲーム】(1)の画像
先週末の千葉県で、魅力的なサッカーが展開された(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 先週末、千葉県で2つの魅力的なゲームが繰り広げられた。持ち味は異なり、国内トップリーグでもない。だが、その両方ともが、ベテランのサッカージャーナリスト・後藤健生をうならせた。

■すっかり変わった千葉

 先日、サッカー界の大先輩から(といっても、年齢は1歳しか違わないのだが)「ジェフ千葉のサッカーがすっかり変わって面白いから、一度見に行ってみな」と言われた。それで、その後、映像で見たりはしていたのだが、「たしかに、結果も出ているし、迫力のあるプレーをしているな」と思っただけで、映像だけではよく理解できなかったのだ。

 そこで、僕は「騙されたと思って」J2リーグ第36節のベガルタ仙台戦をフクダ電子アリーナまで観戦に行った。9月23日の土曜日のことである。

 ジェフ千葉は、Jリーグのいわゆる「オリジナル10」の一つである。

 というより、前身の古河電工サッカー部は1965年に始まった日本サッカーリーグ(JSL)で一度も2部に降格したことがなかったという名門だ。

 日本のサッカーは第2次世界対戦直後くらいまでは大学勢が中心で、関東、関西の両大学リーグが日本のトップリーグだった。その後、大学を卒業した選手たちが中心になって実業団の時代を迎えるのだが、古河電工は日本の実業団サッカーの草分け的存在であり、1960年に天皇杯全日本選手権で実業団チームとして初めて優勝したのが古河だった。

 ちなみに、僕はJSL時代には「古河ファン」の一人であり、当時から古河サッカー部には顔見知りの人も多かった。

 しかし、Jリーグが発足して「ジェフユナイテッド市原」となってからは、イビチャ・オシム監督の時代を除いて低迷を続け、2009年には18位となって、ついにJ2リーグに降格。2010年からはすっかりJ2リーグに定着してしまっており、「降格もないが、昇格もない」という中途半端な状態が続いていた(昨シーズンも10位という“定位置”にいた)。

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