攻撃面では自陣からのビルドアップに、果敢に関わってトライした大迫敬介。一方でドイツには60%以上ボールを持たれながらも、打たれたシュートは11本、そのうち枠内はゴールも含めて3本だった。
シュート数の割に枠内が少なかったのはドイツのシュート精度が悪かったと言うより、攻め込まれた状況でも、冨安健洋と板倉滉のセンターバックコンビを中心に、しっかりとゴール前でコース限定できていたことだ。前半は4ー4ー2のミドルブロックをしきながら、機を見てハイプレスをかけるという守備で、ドイツにもたれても最終ラインがペナルティエリアの手前で踏みとどまって対応したことで、ボッククス内に入り込まれて打たれるシチュエーションが、サネに中央を破られた失点シーン以外はほぼなかった。
後半は交代出場の谷口彰悟が冨安と板倉の間に入り、伊東純也と三笘薫がウイングバックに下がって、守備では5バックでレーンを埋めながら、局面でマンツーマン気味にドイツのボールホルダーと受け手のルートを遮断した。確かに度重なるビッグセーブでチームの危機を救うGKは見栄えもするが、この日の大迫はどちらかといえば”グローブの汚れていないキーパー”だった。それでもクロスボールの対応は多く、ギリギリの状況で相手に合わせられる前に弾いたり、キャッチしてドイツの攻撃を止めた。
「本当に紙一重のシーンは多くて。日本じゃあんまり想像できないようなところからボールが飛んできたりはあって。自分も色々考えながら、工夫しながらプレーしましたけど、すごく面白くて楽しめた90分でした」