■「チームの勝利のために貢献するというのは大事なこと」

 先述したように、まずは守備について話したのには理由がある。それは、この元フランス代表FWにとって“チーム貢献”という言葉が優先順位として高い位置にあるからだ。

「ゴールは決めてないですが、チームに貢献するために私は準備を重ねています。ゴールを決められなかったとしても、ボールをキープしたり守備で奔走するなどしてチームの勝利のために貢献するというのは大事なこと。

 チャンピオンズリーグというハイレベルなサッカーに対しては、そういった(フィジカルや守備での)準備をしておかなければいけないです。今日のジョホール戦は非常にタフなゲームでした。そして、この初戦で3ポイントを取って終わるということは非常に大事なことでした」

 自らの得点のためにむやみに前に走ったり、あるいは、ポジションを外れたりしないことで、チームとしてさらに力を発揮できる。だからこそ、「川崎の目標としている優勝に向けて、ACLでいい形でスタートができて良かった」とも笑うのだった。

 チームは試合翌日にマレーシアを飛び、24日のJ1リーグ戦に向けて動き出す。この試合は国立競技場で行われるため、多くの観客が訪れ、そして、注目を集める試合となる。多摩川クラシコ、ACL初戦というビッグマッチに連続しているゴミスにとって、次の試合も似たような試合となるが、泰然自若の構えを崩さない。

「僕にとっては毎試合がビッグゲームです。どの試合も勝利を求めて戦います。川崎はこの順位にいるべきではないですし、本来いるべき位置に川崎はいるべきだと思いますし、そのために、毎試合強く戦っているべき場所に戻りたいと思います」

 チームの最前線に立つ元フランス代表FWが、フロンターレを高みへと導く。

(取材・文/中地拓也)

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