■変わりゆく欧州

 もっとも、最近は何も気が付かないまま国境を渡ることが多くなりました。

 ヨーロッパでは1985年に「シェンゲン協定」という協定が締結されました。参加国間での国境検査を省略するという内容です。今ではヨーロッパ大陸の27か国が参加していますから、国境検査はなくなりました。

 日本からヨーロッパに渡ると最初に入国する(最初に到着する)空港で国境検査(パスポート・コントロール)を受けますが、その後は「シェンゲン域内」なら飛行機であろうと、列車であろうと、自動車であろうと、自転車であろうと、徒歩であろうと、ジョギングであろうと国境検査はまったくなく、最後に「シェンゲン域内」を出るところで、再び検査があるだけです。

 だから、いつの間に国境を越えたのか分からないということになります。

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