■「もっと違う判断ができた」

「ボールを持った時は自信を持ってできているんで悪くはない」と、自分の特徴を出せる状況にはあった。だが、「相手が怖いプレーといったらゴールに迫っていくプレーだと思うので、そこはまだまだ足りていないかなと思います」と課題も残した。

 それでも前半38分の場面は、ゴールに迫りながらも“別の考え”が必要な場面だったという。それは、名願が連続してシュートを放った場面だ。

 このとき、まずは水戸陣内のペナルティアークの前で相手のパスミスをカット。GKとの間には相手DFが1人という絶好機が訪れた。この場面で名願は仕掛けて左足シュートを放つ。相手DFにブロックされるも、こぼれ球を回収すると、寄せて来る相手選手に対して切り返しを見せてからすぐに右足シュートを放ってみせた。

 このシーンについて、「1対1は得意なんで自分で行こうかなと思った」と振り返るが、「右側から大弥君が走ってきたのが見えてたんで、今思ったら使ったほうが良かったなって思うんです」と別の形もあったと思い直したという。

「自分が点を取りたいという気持ちがあって、自分の欲というか…、自分で打って相手にブロックされてしまいましたし、そこで冷静になれなかった」

 とはいえ、結果を残そうとする中では「欲」も必要になるが、「シュートに行ったこと自体は悪くないと思うんですけど、チームが勝つために追加点も欲しかったので、そういうことも考えたらもっと違う判断ができたのかなと思います」と、チームがもっと楽に勝てる選択肢を取るべきだったとした。

「まだまだ自分が足りないということが分かったので、練習で改善していきたいです」

 自分の特徴を出しつつ、チームに勝利をもたらす――。公式戦で得たこの感覚を練習でさらに研ぎ澄ませ、次こそは結果を残して見せる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3