後藤健生の「蹴球放浪記」第163回「日本代表の遠征取材で学んだ多様性」の巻(2)山国ラオスの薬草サウナの画像
第37回キングスカップの記者証。タイがベトナムを破って優勝 提供/後藤健生

 世界に出れば、さまざまなサッカーがある。多様性が広がるのは、個々の人間についても同様だ。蹴球放浪家・後藤健生は、東南アジアへの遠征でも多様性を学んだ。

■タイの楽しい思い出

 2007年のアジアカップは東南アジア4か国共同開催でした。

 イビチャ・オシム監督率いる日本代表はグループリーグからずっと戦っていたベトナムの首都ハノイで行われた準決勝でサウジアラビアに2対3で敗れました。そして、日本は3位決定戦が行われるインドネシアのパレンバンに向かいました(「放浪記」第158回「パレンバン上空で思い出した軍歌」の巻参照)。

 そこで、僕たち取材陣もインドネシアに向かいました。この大会では4か国を移動する必要がありましたが、助かったのは格安航空会社のエアアジアの存在でした。ハノイからジャカルタまでもエアアジアを利用。バンコクまで飛んで1泊して翌朝ジャカルタに向かう日程です。

 そのため、7月26日の夜はバンコクのスワンナプーム空港のすぐそばのトランジット用のホテルに宿泊。夜になったので、同宿の同業者の皆さんと一緒に飲みに出かけました。

 そこで日本人のグループを見かけて寄ってきたのが、男性だけど女性っぽい仕草の方でした。それも、けっこう有名なテレビタレントでもあるようで、周囲で飲んでいるタイ人もみんなその人のことを知っていました。

 ステージで一曲歌うと、また僕たち日本人のところに戻ってきてしゃべっていきます。

 こうして、僕たちはスワンナプームで楽しい一夜を過ごすことになったのです。

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