川崎の2点に関わり、陰ながら勝利に貢献した山田新にとって、この札幌戦はわずかながら、リベンジの思いが含まれた一戦だった。
川崎は4月1日にアウェイでのJ1第6節、札幌と対戦。2度のリードを許す苦しい試合展開を強いられる。ただ、1点のリードを許すたびに山田が持ち味の機動性を発揮。25分の宮代大聖の同点ゴールをお膳立てすると、再度リードを許した39分には山根視来のゴールをアシストした。リードを許す試合展開の中の働きで、チームの4−3の勝利に大きく貢献した。
そんな札幌戦に対し、山田は少しばかり特別な感情を持っていた。
話は昨年の6月に遡る。山田が桐蔭横浜大の4年生として臨んだ昨年の天皇杯でのことだった。桐蔭横浜大は2022年6月8日に行われた2回戦で札幌と対戦。厚別で開催されたこの試合を桐蔭横浜大は、3-4の打ち合いの末に落としている。
試合展開も劇的で、桐蔭横浜大が2点を先行。札幌が2点を追いついて2−2とした89分に桐蔭横浜大が3得点目を記録。勝利を目前にした90+4分に札幌に同点ゴールを喫すると、延長後半の111分に逆転ゴールをねじ込まれて敗退に追い込まれている。
この試合を、山田は教育実習のため欠場。エース山田が出ていたら結果は違ったものになっていた可能性があった。そうした背景があったからこそ山田はリベンジの思いについての質問に対し「そうですね、そういう思いもありました。リベンジの思いもありました」としている。