どのクラブにも重要な番号がある。それが一つしかないクラブもあれば、複数あるクラブもある。そして広島の場合、「11」もそれに当たる。
今季からこの番号を背負うのは、満田誠。昨年加入したばかりだが、ルーキーイヤーにしてリーグ戦29試合に出場し、日本代表にも選出された。試合中の振る舞いに加えてPKも蹴るなど、責任感と強い気持ちを見せる選手でもある。
その満田が「11」をつけるまで、この番号はピッチの上に6年間も現れなかった。2016年まで12年にわたってチームのために走り、そして、ゴールネットを揺らし続けた佐藤寿人氏の番号を継承するということは、それほどこのチームにとって重いものだったからだ。
満田は伝統あるこの背番号を引き継いで、開幕戦からピッチに立った。そして、3月12日に行われたガンバ大阪戦でついに今季初得点を決めた。PKではあったが、1-1で迎えた後半アディショナルタイムという状況だった。今季未勝利だったチームの初白星がかかる重圧に負けず、背番号11はこれを決めて見せた。