モロッコで行われているクラブ・ワールドカップで、ベスト4が出そろった。レアなワンプレーが、チームの明暗を分けた。
日本ではあまり報じられていないが、現在モロッコではサッカークラブの世界一決定戦が行われている。今月1日に、クラブ・ワールドカップが開幕したのだ。
2025年からは32チームが参加する新方式となるが、今大会は6大陸の王者と開催地代表の7チームによって頂点が争われる。ヨーロッパ王者のレアル・マドリードと南米王者のフラメンゴは準決勝からの登場で、そのビッグクラブへの挑戦権が現地時間4日、4チームによって争われた。
レアル・マドリードと対戦するチームは、アフリカ代表のアル・アハリに決まった。北中米カリブ海地域代表のシアトル・サウンダーズに1-0で競り勝っている。
もうひとつの準々決勝は、一筋縄ではいかなかった。開催地モロッコのウィダード・アスレティック・クラブとアジア代表アル・ヒラルの対戦は120分間を戦っても決着がつかなかったのだ。
0-0のまま前半を終えたが、試合は後半7分に動く。地元の大声援を受けるウィダードがCKから先制したのだ。そのまま試合は進んだが、終了間際にドラマが待っていた。土壇場の後半45分、ウィダードがPKを獲得。モハメド・カンノがこのチャンスに決めて、試合は延長戦に突入した。
同点ゴールを決めたカンノが退場になるなど、延長戦も波乱含み。結局、勝敗はPK戦にゆだねられることになった。
中心選手、あるいは試合で活躍していた選手がPK戦で失敗するのは、サッカーではよく目にする光景だ。今回その“あるある”の犠牲になったのは、ウィダードのヤヒア・アティヤト・アラーだった。
2020年にウィダードに加わるとリーグタイトル奪還と連覇に貢献。2021-22シーズンにはクラブMVPに選ばれており、いわばクラブW杯出場の立役者でもある。
昨年のカタールワールドカップでも、海外組、あるいは国外生まれの選手が主力を担うモロッコ代表で“国内組”として活躍。そのチームの顔が、PKを外してしまい、ウィダードの敗退が決まったのだ。