イタリアの名門ローマでプレーする女子日本代表DF南萌華が、クラブのSNSでイタリア語を披露した。完璧ではないものの、異文化への適応への努力がうかがえる動画に、ファンも好感を持って受け止めている。
南は中学生年代から浦和レッズの女子チームで腕を磨き、2017年にはトップチームへと昇格。5シーズンにわたり国内トップリーグでプレーした後、2022年夏にはイタリアの名門であるローマの女子チームへと移籍した。
U-16から年代別の日本代表にも名を連ね、2019年にはなでしこジャパンの一員としてデビューを飾った。飛躍を期待される他の日本代表のチームメイトと同様、ヨーロッパでさらなる成長を目指している。
皇后杯優勝なども経験した期待の24歳が、新たなタイトルを手にした。2022年12月、前シーズンの女子版のセリエAとコッパ・イタリア(イタリア杯)を制したユベントスとスーペル・コッパ・イタリアーナ(イタリア・スーパー杯)をめぐって対決。リーグ、カップ戦ともあと一歩届かなかった相手に対して、リベンジを果たしのだ。
その一戦に、南は左サイドバックとして延長戦も含めた120分間、フル出場。1-1の末のPK勝ちに貢献していた。
この快挙の喜びを、クラブがファンと分かち合わないはずはなかった。現地時間1月4日には、男子チームがボローニャと対戦。そのリーグ戦キックオフ前、ホームのスタディオ・オリンピオコで南ら女子チームが優勝杯をファンに披露した。
昨シーズンの男子チームのUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ優勝に続くタイトル獲得を、ファンも称えた。スポットライトは南にも当てられ、スタジアムを一周する様子をクラブがSNS上の動画で紹介している。
カメラを回すスタッフが、凱旋した南に話しかける。
「ローマは好きかな?」
素敵な笑顔で、南は答える。
「はい! 君は満足しています」
ヒアリングと文法で、ちょっとした勘違いがあったようだ。スタッフが再度、質問する。「そうじゃなくて、ローマは好きかい、ってこと」。
「はい、ローマが好きです」
しっかりと答えた日本代表DFは、両手の親指を立てるサムズアップと最高の笑顔を、ビデオカメラにプレゼントした。