■学生チームのプロ化の例
大学がベースになったプロ・チームは、中南米諸国に多い。
たとえば、メキシコ・リーグ(プリメーラ・ディビシオン)の強豪のプーマス。「UNAMプーマス」といった名前でも呼ばれるが、UNAMはメキシコ国立自治大学の略称で、もとは学生たちによるアマチュア・クラブだったが、その後、プロ化して同国の強豪チームに成長したのだ。
ホーム・スタジアムの「エスタディオ・オリンピコ・ウニベルシタリオ」は1968年のメキシコ・オリンピックのメイン・スタジアムとして建設され、1986年のワールドカップでも使用された6万人以上を収容するスタジアムだが、このスタジアムもUNAMのキャンパス敷地内に存在する。
同様に、大学をベースとした強豪チームとしてはペルーのウニベルシタリオ(国立サンマルコ大学)、チリのウニベルシダ・カトリカ(カトリック大学)、ウニベルシダ・デ・チレ(チリ大学)などがある。
アメリカ合衆国のフットボール(アメリカン・フットボール)チームはプロではないが、プロ・リーグの「NFL」にも匹敵しようという観客動員力を誇り、大学にとっては大きな収入源にもなっている。
戦力的にJ2リーグにも匹敵しようという日本の大学サッカーは、もっと多くの注目を集めるべき存在なのである。