新たな4年間へ「潮流をつくり出すのはチャンピオンズリーグ」「W杯で最もクラブ的なサッカーをやっていた代表チーム」とは?【ワールドカップ「ドーハの歓喜」を超える! 2023年日本サッカーの激論】(2)の画像
ムバッペのような飛び抜けた個はいないが、イングランド代表は好プレーを見せた 撮影:原悦生(SONYα1使用)

 年が変わっても、サッカーにオフはない。ワールドカップの熱が冷めないままに新年に入り、年明け早々にはJリーグのチームが始動する。日本代表の多数を占める海外組の選手たちは、シーズン真っただ中だ。2人の大ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生もスイッチオンのまま、サッカーの来し方行く末を語り尽くす。

■次のサッカーは見えたか

――リオネル・メッシは、アルゼンチン代表引退か続行かで注目を集め続けています。

大住「今のアルゼンチンに、メッシに代わる選手はいないよね。いや、世界中にいないか」

後藤「アルゼンチンの場合、アルフレッド・ディ・ステファノが出てきて、ディエゴ・マラドーナが出て、そうした系譜の先にメッシがいるんだから、3、40年経ったら誰か出てくるのかもしれないけど、そう簡単に代わりが務まる選手がいるわけがないよ。アルゼンチンはこれからまったく違うチームをつくらないといけないから、大変だね」

――ワールドカップが世界のサッカーの潮流をつくり出すこともありますが、今回はそういう新しい流れは見えましたか。

後藤「潮流はワールドカップじゃなくて、クラブサッカーがつくり出すんだよね。2010年大会で優勝したスペインのベースはバルセロナのサッカーだったし。ドイツ代表のゲーゲンプレッシングなどもそうだし、クラブサッカーがつくった流れに乗ってワールドカップが動くということが、ここ数十年続いている」

大住「そうだよね、2014年大会のドイツ代表だって、やはりバイエルン・ミュンヘンが中心のチームだったからね」

  1. 1
  2. 2
  3. 3