36年ぶりのワールドカップ制覇に、国中が沸いている。人々の歓喜に埋め尽くされるアルゼンチン首都の空撮動画が世界中を驚かせ、驚異の再生回数を叩き出している。
悲願という言葉が、まさに当てはまるだろう。1978年に自国開催の大会で、アルゼンチンはW杯を初制覇。1986年に2度目の世界一に輝いたが、その後は長く優勝杯に手が届かない時間が続いた。2014年のブラジル大会で24年ぶりのファイナルの舞台に立ったが、結果は同じ準優勝に終わった。
今大会も、悲しみが続くかに思われた。2点をリードして終盤に入ったが、残り10分を切ってから2ゴールを決められた。延長後半に勝ち越しても、またも追いつかれる。だが、PK戦の末に、ついに優勝杯を取り戻した。
アルゼンチンの力の源のひとつが、情熱だろう。ベースとなるパッションが、選手を燃え上がらせ、成長させる。今大会の準決勝でも、首都ブエノスアイレスでは中心部に多くの人が集まり、遠く離れたカタールで戦う選手たちの背中を押した。
その際の盛り上がりもすごかったが、優勝はやはり一味も二味も違った。有名なオベリスクのある広場は、まさに人に埋め尽くされた。その様子を、映像ディレクターのアレ・ペトラ氏らが空撮動画に収めた。屋根に人が上るのは当たり前。かなりの高さがある電灯にもぶら下がり、さらにはてっぺんに到達した上に、国旗を振りかざしている。ドローンはさらに飛んでいき、大きな顔をとらえる。英雄ディエゴ・マラドーナが描かれたフラッグが、はためいているのだ。