■インターン生が自走するようになるまで「半年」

 パートナー事業部の伊東祥明さんはこう話す。

「インターン生はみんな、入ってきたときは緊張しまくって自信なさげな感じの子がすごく多いのですが、当初はあれやって、これやってと指示していたものを、自分で作り、自走するようになるまで半年くらいです。インターン生のそういう成長は嬉しいですね」

 この様を「私は岡田塾と呼んでいます」と言うのは運営・広報部運営担当の南波拓也さんだ。

「岡田さん(岡田敏郎運営・広報部長)は、“わからないことはなんでも聞いてくれ”というスタイル。わからないことをわからないままに進むのではなく、納得したうえ業務に当たることが大事だと岡田さんから学びました」

運営・広報部運営担当の南波拓也さん  撮影/後藤勝

「見て盗め」と言い、何も教えない。そうした昭和のやり方が今、正しいのかどうかはわからないが、少なくともそれと正反対の町田が、人材育成において結果を残しつつあるのは確かなことだ。南波さんは続けてこう語った。

「ほかのクラブのことはわかりませんが、クラブの中の雰囲気が良く、“やってみよう”“成し遂げよう”という意識が強い。挑戦の機会を与えてくれるゼルビアは、サッカークラブで働きたい人々にはいい環境だと思います」

 来季、新たな体制で再びJ1昇格を目指すFC町田ゼルビア。町田より上位のクラブは多くあるが、若きスタッフの人材育成という面では、他のクラブの一歩先を行っていると言えるのかもしれない――。

FC町田ゼルビアの初代代表兼監督の重田貞夫氏(故人)  撮影/後藤勝

 

FC町田ゼルビア「インターン募集」(11月17日23:59まで)https://www.zelvia.co.jp/news/news-214632/

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