大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第100回「健全な失点数」(1) サッカーとは「1点と2点の間のゲーム」の画像
今季のJ1では、横浜FMが最高の得点力を見せている 撮影/原壮史

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、「1点と2点の間のゲーム」。

■今季のJ1は「まずまず」

 サッカーは「1点と2点の間のゲーム」である。

 街にはまだ半そで姿も見られるというのに、天皇杯の決勝戦が終了し、Jリーグも残り2節。まさに終盤である。今季これまでJ1で行われた全287試合で生まれたゴールは720。1試合平均2.509点と、まずまずの数字と言える。

 近年のワールドカップを見ると、2018年ロシア大会が64試合で169ゴール、1試合平均2.641点、以下32チーム制になってからの大会をさかのぼると、2014年ブラジル大会が2.672点、2010年南アフリカ大会が2.266点、2006年ドイツ大会が2.297点、2002年日本/韓国大会が2.516点、1998年フランス大会が2.672点と、2点台の半ばを推移している。今季のJ1の「1試合平均2.509ゴール」という記録を「まずまずの数字」というのは、このことを指す。

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