■主力の戦列復帰も仙台のポジティブな要素
後半終了間際には、氣田がPKを獲得する。途中出場のFW皆川佑介がキッカーを務めるが、右足のシュートは相手GKにブロックされてしまう。その直後、試合終了のホイッスルがピッチに響いた。
ボランチのフォギーニョが2試合ぶりに先発し、3試合ぶりにメンバー入りした名倉巧がスタメンでフル出場した。前2試合欠場のキム・テヒョンと真瀬拓海も、3試合ぶりに途中出場している。次節以降への準備を進めながらの勝点3ゲットである。
先発2トップの中山と富樫は、シーズン3度目のアベック弾だった。過去2戦の成績は1勝1分で、この日は勝利である。彼らが揃って得点すると負けないといったジンクスが生まれたら、チームにとって頼もしい。
ポジティブな要素を見つけられる一戦だったが、4対0からの失点は気になるのだろう。試合後の原崎政人監督は厳しい表情を浮かべた。
「ゲームの締めかたという大きな課題が残った」
ここまで60得点はリーグトップだ。一方で、失点は「40」を数える。リーグで6番目に多い。26節から5試合連続で失点している。
2位の新潟、4位の岡山、5位の長崎らは、1試合平均の失点が「1」以下だ。首位の横浜FCは35失点を献上しているものの、直近2試合で合計6失点を喫したことで失点がかさんでいる。
仙台は被シュート数がリーグでもっとも多い。失点の多さは偶然でないと考えるべきだ。J1昇格争いが熱を帯びていく残り12試合では、守備力を支えとした勝利も必要となる。今シーズンまだ一度もない「ウノゼロ」で勝てるゲームコントロールが、仙台に改めて求められている。