後藤健生の「蹴球放浪記」第122回「カタールの歩き方 北の岬で飲んだ緑のコーヒー」の巻(2)「生の豆」の風味を楽しむの画像
北の岬の漁船。アラビア湾はどこも水がきれい 提供/後藤健生

 いよいよ、心躍るワールドカップが近づいてきた。開催国のカタールは、蹴球放浪家・後藤健生にとって「ドーハの悲劇」など思い出が残る土地だ。欧州や南米のようなサッカーの豊かな歴史に触れることは難しいが、カタールならではの楽しみもある。今回は、ワールドカップ開催国ガイドとなる「カタールの歩き方」だ。

■砂漠にある野菜畑

 サウジアラビア国境より、多少は面白かったのが「北の岬ツアー」でした。あの1993年の最終予選の時に現地の旅行会社と相談して企画したツアーです。ドーハを出発して、カタール半島最北端に向かいます。

 途中で見学したのが「冷室(?)」でした。

 砂漠の中にビニールハウスのようなものがあって、中は温度が管理されて涼しくなっており、そこでキュウリやトマトなどの野菜が栽培されているのです。中東諸国の野菜や果物はたいてい輸入物ですが、こうして野菜の栽培も試みられているというわけです。

 また、砂漠の真ん中の砦なども見学しました。

 そして、たどり着いたのがカタール半島最北端。アル・ルワイスという名の集落でした。小さな港があって、漁船が停泊していました。また、この港からはバーレーンまでの国際航路も発着しているようで、小さな税関もありました。

 そして、大きな民家に招き入れられました。村の有力者の家で、旅行会社が契約していて、そこで現地の生活ぶりを見せてくれるというわけです。

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