■VARが日常になった現在

 VARは試合中のすべての事象をチェックしているが、判定の間違いがあったと思われるすべてのシーンで介入するわけではない。VARが主審に「待った」をかけるのは、①得点、②ペナルティーキック(PK)、③一発退場(2回目の警告による退場は含まない)、そして④ひと間違い(違う選手にイエローカード)の4種類だけで、主審が明白に誤りと思われる判定を下したときだけだ。そのうちオフサイドがからむのは得点とPKだが、そのチェックをテクノロジーを駆使して行うという。

 現在、世界の主要大会の多くで使われ、日本でもJ1の全試合で使われてトップクラスの試合には不可欠のものとなったVAR。古橋亨梧や前田大然などの活躍で昨年から急激に注目度が高まっているスコットランドのプレミアリーグでVARが使われていない試合を見ると、少し間が抜けた感覚をもってしまうのは、私たちがすっかり「VARのあるサッカー」に慣れてしまったことを意味している。

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