2022年に日本代表が示すべき「無形のレガシー」欧州組は2002年の4人から2022年の22人へ【ワールドカップ2002のレガシー】(4)の画像
リバプールでプレーする南野など、海外組が日本代表のほとんどを占める時代になった 撮影/渡辺浩樹(Sony α1使用)

 カタールでワールドカップが開かれる2022年は、日本のサッカーにとって節目の年となる。地元開催となった日韓ワールドカップから、20年を数えることになるのだ。その記念すべき大会は、日本サッカー界に何を残したのか。サッカージャーナリスト・大住良之が検証する。

■今年も活躍するもうひとつの「日本代表

 では「無形のレガシー」とは何か。それはもちろん、サッカーに取り組む人間である。何よりも、ピッチに立つプレーヤーであり、審判員である。

 日本の審判員は、1970年大会に丸山義行氏がワールドカップに選出されて線審(現在の副審)を務め、1986年大会と1990年大会では高田静夫氏が選出されて主審も担当した。そして1998年には岡田正義氏、2002年には上川徹氏が主審を務めた。

 日本の審判員が世界の舞台で存在感を見せるのはここからだ。2006年大会には上川主審とともに広嶋禎数副審も選ばれて活躍、3位決定戦のピッチにも立った。さらに2010年大会と2014年大会では西村雄一主審が活躍し、2010年には相樂亨副審が韓国の鄭解相副審とともに、2014年には相樂副審と名木利幸副審が西村主審を支えた。日本の審判員の優秀さが認識され、2014年大会では「チーム西村」が開幕戦を任された。

 そして2018年大会には佐藤隆治主審、相樂副審、山内宏志副審のトリオが選ばれ、ことしの2022年大会にはFIFAワールドカップでは初めての女性審判員となる山下良美主審が選ばれて世界的な話題になった。継続してワールドカップに審判員が送り込まれているのは、間違いなく2002年大会を契機とした審判サポート制度の充実のおかげだ。

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