11月に開幕するサッカー・ワールドカップの組み合わせが決定した。日本は優勝経験のあるスペイン、ドイツとともにグループEに入った。突破すれば、ラウンド16では前回惜敗したベルギーと再戦か。日本代表や大会全体をマクロ・ミクロの視点からとらえ、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■日本にとって最高のシナリオは?
――日本がグループEを勝ち抜くベストストーリーは、どういうものになるでしょうか。
後藤「ベストは3戦全勝でしょう(笑)。7戦全勝で優勝だよ」
大住「それはそうだけどさ(笑)」
――確かにそうなんですが、実際のところ初戦のドイツ戦での勝率はどれほどのものでしょうか。
後藤「どうだろう、2割くらいかな」
大住「そのくらいはあると思うよ。本当に、守れるかどうか、に懸かっているんだよね。3、4回は決定的なチャンスをつくれると思う。それをいくつ決められるかは分からないけど、それまでに4点取られていたら終わりでしょ。とにかく無失点で時間を進めることだね」
後藤「だって、ドイツとの前回の対戦では引き分けているでしょ」
大住「2-2だったね(編注:2006年ワールドカップ開幕直前に、ホスト国のドイツと親善試合を行い、日本は後半に入り高原直泰の2ゴールでリードしたが、追いつかれた)。あの試合のドイツはコンディションが一番の底の状態の時だったから。日本はあそこがピークで終わっちゃった」