大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第86回「FIFAランキングの怪」(1) 日本をスペイン、ドイツと同居させた「初のポット3」の理由の画像
W杯抽選会で日本はポット3に入った 写真:AP/アフロ

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、FIFAランキングなる不可解な数値について。

■驚きだった日本の「ポット3」入り

 三笘薫の電撃的な2ゴールでオーストラリアに快勝し、ワールドカップ出場が決まってから8日目、「カタール2022」の組分け抽選会が行われ、ドイツ、スペインと同じE組にはいるというショックのなか、ベトナム戦引き分けの気まずさだけでなく、予選全般のことなど誰もが記憶のかなたに飛び去ってしまった観がある。

 今回の抽選で多くのファンが最も驚いたのは、日本が32チーム中の第3ランク、「ポット3」にはいっていたことではないだろうか。ワールドカップの組分けのためのシーディングは、2006年大会までは前大会の成績なども考慮に入れられていたが、2010年南アフリカ大会以降は単純に直前の「FIFAランキング」で行われている。

 今回もその方法が取られたが、6月に最終プレーオフで決まる3チームを除く29の代表が3月30日までに行われる試合で出そろうため、3月31日に「最新ランキング」を発表し、その結果でカタール大会のシード分けが行われた。すなわち、出場チームをランキング順に8チームずつのシード(ポット)に分け、そこから1チームずつ引いてAからHの8つのグループにひとつずつ入れていくという方法である。

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