■3月19日/明治安田生命J1 浦和レッズ 4ー1ジュビロ磐田(埼玉)
浦和に“異次元の翼”が加わった!
スウェーデン代表歴を持つMFダヴィド・モーベルグは本物だ。証人となったのは、2万4207人のサポーターと観客。後半開始直前に“10番”がピッチに立つや、埼玉スタジアムではどよめきが発生したが、後半開始のホイッスルが鳴ってわずか3分で歓喜を巻き起こした。
巻き返しを狙う磐田陣内でボールを自らのものにすると、そのまま前進してペナルティエリア内に進入。相手DF3人と対峙しながらもボールを奪わせず、そればかりか、独特のステップと足技からシュートを放つと、見事にゴールネットを揺らしたのだ。デビュー初戦のデビュー直後のJ初弾。ゴールを奪った上にその華麗さが、スタジアムを熱狂させた。前半の時点で3-1と大きくリードしていたとはいえ、磐田を失望させるに十分なゴールだった。
名門スパルタ・プラハ(チェコ1部)から浦和への加入が発表されたのは、昨年の12月30日。コロナ禍の影響で合流するまで時間がかかり、チームトレーニングに初めて参加したのは3月9日のこと。海外移籍やチーム戦術の理解といった難しさをすべて吹き飛ばす45分だった。
実際、試合中には連携不足な点も見られたが、縦への推進力とボールを扱うテクは一級品で、ボールを持てばチームに勢いをもたらす片鱗を見せていた。